買い物からの帰り道、車窓からみる夕焼け

私はもうすぐ家をでる。

最後に何か買ってあげようという母の計らいで、昨日アウトレットモールに私を連れ出してくれた。

灼熱の太陽をなるべく避けながら4時間ほど歩き回り、最後の最後にピンときた服を買ってもらった。

身体の熱を取るために買ったチョコレートフラペチーノを手に、家路につくべく母の車に乗る。

太陽は残りの力を使って空を赤く染め上げ、私は全身をまとう疲労感を感じながらまどろんでいた。

その感覚は、兄とともにプールに連れて行ってもらい、クタクタになって帰ったあの頃を思い出させた。

母は車の出入りが簡単で料金も高くない方のプールに行かないかと提案し、そんな事情を理解できない私たちは「あっちの回るプールがいい」と駄々をこねた。

そして結局、母はいつも回るプールに連れて行ってくれた。

プール自体は好きではなかったけれど、「母が自分のためにしてくれること」はなんでも嬉しくて特別な感じがした。

帰り道、夕陽に照らされながら車を運転する母の背中をみて、ぐっすり眠る時間も好きだった。

もうあと数年で、あの頃の母と同じ歳になる。

あの頃思い描く「大人」になっているはずだった年齢だ。

「大人」はなんでも解決出来て、なんでも知っていて、悩んだり落ち込んだりしないものだと思っていた。

だけど実際は全然そんなことなくて、未だにじたばたと足掻いている。

きっと母も、じたばたと足掻きながら私たちの世話をしてくれたのだろう。

私はもうすぐ家をでる。

だからといって私自身の何が変わるわけでもないけれど、この数年間に1度区切りがつくようで少し寂しい。

母は最近しきりに「楽しみ?」と聞いてくる。

「楽しみだよ!」という言葉は今の家族との生活を否定することにならないだろうかという考えが頭をよぎり、いつも曖昧な返答をしてきた。

母がどんな心境でその質問をしているのかはわからないけれど、次は自信をもって「楽しみだよ」と答えてみようかな。

そして、離れるからこそ、これまでしてくれたことを同じだけ返していこう。

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この記事を書いた人

つむぎ
大学では哲学科を専攻した20代女性

自身が傷つきやすく悩みやすいので、同じような「繊細さん」に寄り添える発信を目指しています。

彼氏をこよなく愛してる

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