集団の中で悪目立ちはしたくないけれど、「人気者になりたい」「特別になりたい」と思う気持ちは誰しも少しは持っているのではないでしょうか?

SNSで人気者になれるかな?♪

ちょっとまって!SNSじゃ心満たされないカモ…!
「誰かに認められている」という感覚は心地よく、人生を豊かにしてくれます。
そんな感覚を気軽に手に入れられるSNSですが、SNS上で認められようとしている限り幸せになれないというお話を今回はしたいと思います。
なぜSNSにハマるのか
アイデンティティを持て!個性を出せ!と叫ばれるようになった現代において個性を発揮する場としてSNSは非常に有効なツールです。
いいね!の数がつくほどに人気者で特別で、人から自分のことを認めてもらえているように感じます。
そして、SNSでは普段は周りを気にして言えない本音や好きなことを語る自分をさらけだすことができます。
それで多くの人から受け入れてもらえたら気持ちがいいですよね。
見せたい自分だけを見せられて、気が合わない人は即ブロック。
相手の反応が見えないからこそ傷つくリスクも抑えられます。
けれど、「誰からも認められる」からこそ「誰からも認められたい」と思い
その思いは最終的に「認められなければ」という焦燥感へと変わっていきます。
比較対象はゴロゴロ転がっていて、認められやすい環境の中で認められていない自分は世間から否定されたかのような錯覚に陥る…なんてのももはや他人事じゃないですよね。

いいねもフォロワーも少ない私って魅力ないのかな…💦
承認欲求にも2つある
欲求はさらに低次と高次の二つに分類される。低次の欲求は他者承認欲求と呼ばれ、他人から認められたい、尊敬されたいという欲求である。高次の欲求は自己承認欲求と呼ばれ、自分で自分を認めたいという欲求である。大きな違いとして、他者承認欲求が評価の基準が他者にあるのに対し、自己承認欲求は自身にある。
SNS が発達した時代における承認欲求の満たし方.吉田
現代で使われる「承認欲求」は前者の他者承認欲求の場合がほとんどです。
ですがSNSでは他者承認欲求すらも健全に満たすことはできません。
なぜなら、SNS上の一回の「いいね!」は直接関わる人から「あなたって凄いのね!」と目を見て尊敬されることと同等のレベルには達しないからです。
数が増えても心は満たされることなく、もっともっとまだ足りないとなります。
もしも達したとしても飽きられないように、いいね!が減らないようにと縛られていきます。
SNS=悪ではない

SNSはダメってこと?

ダメじゃないよ!承認欲求を満たすために使わないってことが大事!
実際にSNSで、あっという間に人気者になる人はいます。
そこで、人気者になるまでの自分の行動や周囲の肯定的な反応によって、自尊心が高まって欲求が満たされることもあるかもしれません。
ビジネス目的で使う方もいらっしゃいますよね。
ただ、どんな目的であれSNSで反応で自分の価値を決めるように思ってしまうとさらに苦しむこととなります。
SNSはどこまでも無限に広がる宇宙になる一方で、その実小さな箱の中の世界です。
だから良い意味で、ある一定の距離を置く必要があるのです。
ありのままの自分を受け入れる
他者からの評価を求める前に、まずは自分で自分を認めて自己承認欲求を満たしてあげることが大切です。
アドラーも、人が幸せに生きるために他者承認欲求は必要ないと言っています。
なぜなら、他者から承認されるということは他者の期待に応えようとすることであり、他者の期待に応えるためには自分の欲求にはフタをしなければならないからです。
ありのままの自分を受け入れることで他者の承認は必要なくなります。
ありのままの自分とは、個性を出したくて悩んでいる自分・特別になりたいのになれない自分・SNSではあえて隠している自分など
本来は目を逸らしてしまいたいような一面も含めた自分のことです。
ありのままの自分を受け入れられると、いいね!が少なくても気にならなくなりますし、自分は自分だからと思えるようになります。
これを機に自分は「誰に、どんな人間として承認されたかったのか」を改めて考えてみてください。
ありのままの自分を受け入れる方法についてもう少し詳しい記事もあります↓↓
まとめ
人から「あなたは特別ね」と認められなくても、自分自身が自分を認めてあげることが大切だということがわかりました。
ただ、SNSは私たちの世界を大きく広げてくれますし、みんなが利用するだけのメリットがあるのは事実です。
感情面でも、「嫌われなくない」「仲間外れにされたくない」という願望を叶えてくれるツールでもあるのです。

SNSのメリットは受けつつ、自分と向き合う時間も大切にしよ♪
ちょこっとおすすめ本紹介のコーナー
「ふつう」から外れたマイノリティに対して、「あの人はおかしい。異常者だ」とレッテルを貼って区別をする。
普通であれば普通の幸せが手に入ると考えられているが、それは本当なのか?など、これまで常識と考えて疑わなかったことを改めて捉えなおそうとしているのが本書です。
「そうか!そうか!今まで抱いていたモヤっとした違和感はこういうことだったのか!」と頭をガツンと揺さぶられるような感覚に何度もなりました。
個人的に筆者の捉え方が非常に好みです。
好きな言葉の引用↓
「孤独」が淋しいものと思い込まれているけれど、何かをしている時、一人一人がやっている。
p.140
一人としての充実をきちんと見つめないと何も始まらないし、誰かといなければ幸せになれないわけではないのです。
今回の記事の参考文献
A:「ふつう」に対する感情反応に個人差要因が及ぼす影響 : 被験者内要因計画を用いた検討
https://seisa.repo.nii.ac.jp/?action=repository_uri&item_id=92&file_id=22&file_no=1
B:SNS が発達した時代における承認欲求の満たし方
https://www.mitasai.com/online-mitasai/assets/pdf/047_4.pdf
C:承認欲求についての心理 学的考察─現代の若者と SNS との関連から─
http://repo.kyoto-wu.ac.jp/dspace/bitstream/11173/2640/1/0140_012_002.pdf
D:なぜわれわれはSNSに依存するのか?
http://repo.kyoto-wu.ac.jp/dspace/bitstream/11173/3029/1/0140_014_012.pdf